エンディングノートとは?

エンディングノートってご存じですか?大相続時代に向けて終活ブームが訪れる中、エンディングノートというワードだけは聞いたことがある、という方も多いかもしれません。

エンディングノートとは、一言でいうと「人生の終わりに向けて、自分の意志や希望を記録しておくためのノート」です。

具体的には、自分の葬儀やお墓の希望、財産の整理、遺言、医療や介護に関する希望など、人生の終末期に関わる様々な情報を書き記すことができます。残された家族や友人が困らないように、自分の意志を明確に伝えることができるのがエンディングノートの特徴です。

エンディングノートは、書き手が自由に内容を決められるため、自分の思いや希望を具体的に表現することができます。また、エンディングノートを作成することで、自分自身の人生を振り返る機会ともなります。これからの人生をどのように過ごしたいか、改めて考えるきっかけにもなります。

いつ、どんな時に書くのか?

エンディングノートを書くタイミングは、人それぞれです。しかし、人生の節目や大きな出来事があったときに書くのが一般的です。

例えば定年退職時に第二の人生をスタートするタイミングで、自分の今後の生活設計や希望を整理する意味で書くこともあるでしょうし、または大きな病気を患ったり入院することになったときなどもきっかけになりやすいでしょう。さらには子どもの結婚や孫の誕生など、家族構成が変わったときや、引っ越しや住居の変更時など、自分の生活環境が変わったときなどにも同じことが言えます。

エンディングノートは、これらのタイミングだけでなく、日常の中でふと考えたときに書き始めることも大切です。また、一度書いたエンディングノートも、状況が変われば内容を見直すことが必要です。定期的に見直し、自分の意思や希望が常に最新の状態で記録されていることが大切になってきます。

自分で作成できるのか?

エンディングノートは、自分自身で簡単に作成することができます。特別な形式や決まりはなく、自分が記録したい情報を自由に書くことができます。市販のエンディングノートを購入しても良いですし、自分で一から作成しても問題ありません。

一般的にエンディングノートに記載する内容は以下の通りです。

  1. 基本情報: 自分の氏名、生年月日、住所、連絡先など
  2. 家族・親族の情報: 配偶者、子ども、兄弟姉妹などの情報
  3. 財産の情報: 預貯金、不動産、株式、保険などの財産に関する情報
  4. 医療・介護の希望: 延命治療の希望や介護の希望
  5. 葬儀・お墓の希望: 葬儀の形式やお墓の場所など
  6. 遺言に関する情報: 遺言の内容や希望する遺産分配の方法
  7. その他の希望: ペットの世話や親しい友人へのメッセージなど

以上の基本項目を自分のペースで記入していけば、エンディングノートが完成します。自分の意思をより具体的に表現することができ、家族や友人にとっても理解しやすいものとなるでしょう。

どこで販売されているのか?

エンディングノートは、書店やインターネット通販などで手軽に購入することができます。多くの出版社から様々な形式やデザインのエンディングノートが発売されており、自分の好みに合ったものを選ぶことができます。

代表的な購入方法としては書店です。エンディングノート専用のコーナーが設けられていることもあり、気軽に手に取ることができます。また、インターネット通販での購入も可能ですので、自分に合ったエンディングノートをじっくり選ぶことができるのもインターネット通販の醍醐味です。

購入する際には、自分の書きやすい形式やデザインを選ぶことが大切です。内容が細かく指示されているものや、自分で自由に書き込めるものなど、様々なタイプがありますので、自分のニーズに合ったものを見つけましょう。

エンディングノートの法的効力はあるのか?

エンディングノートは、自分の意思や希望を記録するための重要なツールですが、実は法的な効力はありません。エンディングノートに記載された内容は、あくまで家族や友人に対するメッセージや希望として受け取られるものであり、法律的に拘束力を持つものではないのです。

たとえば、エンディングノートに遺産分割の希望を記載しても、それが法的に有効な遺言と認められるわけではありません。遺産分割に関する希望を法的に確実に実現するためには、遺言書を作成する必要があります。遺言書には、法的に有効な形式が定められており、それに従って作成しなければなりません。

法的効力がある遺言書の種類

では、法律的に拘束力がある遺言書とはどういったものなのでしょうか。

代表的なものとしては、自筆証書遺言、公正証書遺言の二種類があります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が自らの手で全文を記載する遺言書です。遺言者が全文を自書すること、遺言者が署名すること、作成日を記載することを条件に、自分で簡単に作成できる点が魅力ですが、形式を守らないと無効になる可能性があります。また、遺言書が見つからなかったり、紛失したりするリスクもあります。さらに、内容が不明確な場合、相続人間で争いが生じることもあります。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人が作成する遺言書で、公証人役場で保管されます。遺言者が公証人役場に出向くか、公証人に自宅や病院に来てもらい、遺言書を作成します。さらに、2名以上の証人の立会いのもと、遺言内容を口述し、遺言者と証人が署名・捺印する方式の遺言書です。

公正証書遺言は、公証人が関与するため、形式の不備や内容の不明確さによって無効となることはありません。また、公証人役場で保管されるため、紛失のリスクもありません。遺言内容が確実に実行される点で、信頼性が高い方法です。

専門家のサポートを受けることの重要性

弁護士や司法書士、行政書士などの専門家は、遺言書の作成に関する知識と経験を持っており、遺言者の希望を法的に有効な形で実現するためのサポートを提供します。専門家のアドバイスを受けることで、形式の不備や内容の不明確さを防ぎ、相続人間の争いを未然に防ぐことが可能です。エンディングノートと法的な方式の遺言書を併用することにより、さらに確実にあなたの希望通りのメッセージを残すことができるでしょう。

また、当事務所行政書士は「相続診断士」として、エンディングノートの作成についてアドバイスを提供することができるほか、現在のあなたの家族構成や財産状態に合わせた「相続診断」であなたにピッタリの終活ライフをご提案することができます。

あなたにとって最適な方法で遺言書を遺し、大切な家族に未来の安心を届けましょう。